餃子

とある家の食堂で、お経を読み終わった、和尚さんが夕飯をふるまわれていた。

奥さん:さあさあ、どうぞこんなものしかりませんが、遠慮なくお食べください。

和尚さん:まあ、いつもたくさんにありがとう。それでは、いただくとするかな。

奥さん:はい、どうぞごゆっくりしていってください。

和尚さん:早いもんだね。旦那さんが亡くなってから、もう一年がたつんだね。

奥さん:はい、本当に。

といってテレビのスイッチを入れた、すると例の中国の餃子の報道をしていた。

和尚さん:この餃子は、うまいね。

と奥さんの方を見ると、なぜかみるみる奥さんの顔が曇ってゆくのが見えた。

不審に思って、奥さんに尋ねると

奥さん:和尚さん、餃子大丈夫ですか。

と聞いてきた。とたんに胃を襲う激痛に腹を押さえてながら和尚さんが転げ回りだした

奥さん:和尚さん、和尚さん、しっかりしてください。

和尚さん:何のこれしき。餃子は、忍辱(ニンニク)が肝心じゃ、喝!

というなり倒れ込んで動かなくなってしまった。

ほどなく駆けつけた救急車で和尚さんは、病院に運ばれたという。

 ちなみに忍辱とは、「仏語。六波羅蜜の第三。侮辱や苦しみに耐え忍び、心を動かさない

こと。忍辱波羅蜜。」だそうである。(大辞林より)

 もちろんこれは、フィクションです。餃子だけにちとくさかったかな。