雉(きじ)
さるが歩きつかれて、犬にまたがろうとすると犬が怒って喧嘩になった。
きじがあわてて、仲裁に入ろうとすると犬が雉にかみつこうとした。
驚いたきじは、ばたばたと羽音をたてて、桃太郎の前を飛び去っていってしまった。
みんなは、必死になって探したが、なかなかきじは帰ってこなかった。
夕日が真っ赤に西の空をそめてそろそろ夕闇が迫るころ、ばたばたと草むらで音がして目の前
鳥が飛び出してきた。桃太郎たちがじっと暗闇に目こらしてみるとあろうことかくだんのきじが、
しっぽから後ろ向きにとんでいるではないか。しかも、くちばしになにかをくわえている。
よくみるとなんと蛙である。
「蛙きじ」「蛙きじ」「蛙きじ」、おしりから読むと「じき帰る」
桃太郎たちは、はらを抱えて笑いころげたそうな。
めでたし、めでたし。